Houn

記事内に広告を含む場合があります

サイトポリシー
WordPress
著者:田野正樹

公開日:2026.10.26

「WordPressはやめとけ」は本当?サイト移転・保守の専門家に聞いてみた

「WordPressはもう時代遅れ」
「セキュリティが危険だからやめとけ」

Webサイトの制作や運用について調べていると、そんな意見を目にすることがあります。

実際、WordPressは世界中で広く使われている一方で、ハッキング被害や保守の負担など、無視できない課題があるのも事実です。

そこで今回、WordPressの移転や保守、トラブル対応などを手がける「サイト引越し屋さん」に「WordPressはやめとけ」と言われる理由を一つずつぶつけてみました。

WordPressを使い続けるべきか悩んでいる方も、これからWebサイトを持とうと考えている方も、ぜひ参考にしてみてください。

今回お話を伺った方

株式会社DPパートナーズ
代表取締役 彦坂康太郎氏

2017年、サーバー移転代行サービス「サイト引越し屋さん」をリリース。
2022年には日本で最も利用されているサーバー移転代行サービスとして公表され、累計対応案件数は3,500件を突破(2026年5月末時点)。

「オープンソースだから危険」

ーーそれでは、ネット上でよく見かける「WordPressはやめとけ」という意見について、一つずつ見解を伺っていきたいと思います。
まずは「オープンソースだから危険」という声について、御社としてはどうお考えでしょうか。

彦坂さん

まず結論として、オープンソースだから危険というのは、必ずしもイコールではないと思っています。

一長一短がありますね。

ソースコードが公開されている以上、もちろん悪用するための研究に使われる可能性もあります。

ただその一方で、世界中の優秀なエンジニアが日々、いまこの瞬間も、機能やセキュリティの開発に取り組んでいる、世界的なシェアを持つシステムがWordPressです。

彦坂さん

逆に、一企業が提供するクローズドなシステムなら安全かというと、必ずしもそうではありません。

ソースコードは公開されていなくても、基本的にはその企業の開発体制やリソースに依存するわけですから。

ソースコードは公開されているけれど、世界中の技術者が開発に関わっているシステム。
非公開だけれど、一企業のリソースで開発されているシステム。

どちらがいいのかと考えたとき、弊社としては、今もWordPressは優れた選択肢だと思っています。

ーー世界中の技術者の協力が、WordPressを支えているわけですね。

彦坂さん

そうですね。

ただ、WordPressが今後もずっと優れた選択肢であり続けるかというと、必ずしもそうではないと思っています。

例えば、シェアが落ちて、世界中の優秀なエンジニアが別のシステムに移ってしまえば、今のような協力やサポートは得られなくなるかもしれません。

そうなれば、ほかのシステムを選んだほうがいい時代が来る可能性もあります。

とはいえ、現在もWordPressは世界のWebサイトの約4割で使われている、圧倒的なシェアを持つシステムです。

少なくとも現時点では、その強みは健在だと思います。

ーーWordPress本体に見つかった深刻な脆弱性「WP2Shell」もここ最近では、話題になりましたよね。

彦坂さん

はい、特定のバージョンに影響する深刻な脆弱性で、ログインを突破しなくても、外部からサイトを改ざんされる恐れがあるというものでした。

ただ、このときの対応が、先ほどお話ししたWordPressの強みを表していると思います。

脆弱性が公表されると、海外のエンジニアが、自分のサイトに影響があるかどうかを確認できるツールをすぐに公開したり、レンタルサーバー会社が特例としてWordPressを緊急アップデートしたりと、さまざまな対応がありました(*)。

ーーWordPressの利用者が多いからこそ、周囲の人や企業も動くわけですね。

彦坂さん

そうですね。

これだけ世界的なシェアを持つオープンソースだからこそ、有志の技術者も、サービスを提供する企業も、積極的に対応してくれる。

利用者の少ないシステムだったら、ここまでの対応はなかなか期待できないかもしれません。

こういった情報やサポートを得やすい環境があるというのは、WordPressの強みだと思います。

*参考リンク:
エックスサーバー「【重要】WordPressの脆弱性(CVE-2026-87902)に関する注意喚起について」

「利用者が多いから標的にされやすい」

ーー反面、「利用者が多いから標的にされやすい」という声もありますよね。

彦坂さん

そこに関しては、本当におっしゃるとおりです(笑)。

WordPressは多くのサイトで共通の仕組みが使われているので、一つの脆弱性を見つければ、ほかの多くのサイトにも攻撃を仕掛けられる可能性があります。

攻撃者にとって効率がいいんですね。

ただ、これはWordPressに限った話ではありません。

ほかのシステムでも、利用者が増えれば狙われやすくなる面はあると思います。

ーー実際に御社へ相談が寄せられる、ハッキング被害に遭ったWordPressサイトというのは、どんな状態になっているのでしょうか。

彦坂さん

最近多いものでいうと、サイトにアクセスしたときに、まったく別のサイトへリダイレクトされてしまう被害ですね。

アダルトサイトやギャンブル系のサイトなどに飛ばされてしまうんです。

あとは、サイト内の一部が改ざんされて、関係のないリンクに書き換えられていたり。

それから、検索エンジンのインデックスを悪用したスパム行為もあります。

例えば、本来は10ページしかない会社のホームページなのに、Googleで調べると、なぜか1,000ページもインデックスされている。

本来のサイトとは無関係な商品ページなどが大量に作られていて、そこから別のサイトへ誘導したり、商品を購入させようとしたりするんです。

さらに被害が広がると、Webサイトだけでなく、メールアドレスが悪用されるケースもあります。

彦坂さん

結果、事業における損害として大きくなるのが、機会損失です。

例えば、アフィリエイトサイトであれば成果報酬、集客に使っているオウンドメディアなら問い合わせや見込み客の獲得、ECサイトなら商品購入に影響します。

つまり、直接的な売上の損失につながってしまう。そこが大きな被害だと思います。

WordPressのハッキング被害・復旧について、サイト引越し屋さんに相談する→

「公式サポートがないから不便」

ーーWixやJimdoなど、サービス提供会社がシステムの管理・運用を行う「SaaS型」のホームページ作成サービスと比べて、WordPressには公式のサポートがないから不便だ、という声もありますよね。

彦坂さん

そこは正直、不便な面もあると思います。

もちろんWordPressはシェアが大きいので、調べれば情報はたくさん出てきますし、対応できるエンジニアもいます。

それでも、そうした繋がりがなかったり、普段あまりインターネットを活用されていなかったりする方にとっては、困ったときに誰に相談すればいいのかわからないですよね。

実際、弊社にもそうしたご相談が寄せられます。

彦坂さん

ただこれは、費用とセットで考える必要もあると思っています。

例えばWordPressなら、レンタルサーバー代を基本として、必要に応じて外部の業者に保守やサポートを依頼するという方法があります。

対して、SaaS型のサービスでは、サポートが充実している分、その費用が利用料金に含まれている場合もあります。

弊社の経験では、WordPressに外部のサポートを付けたほうが、トータルの費用を抑えられることも多いんです。

ーーサービス側が用意しているサポートを利用するか、外部の専門業者に依頼するか。
最終的な費用も含めて考える必要があるわけですね。

彦坂さん

そうですね。

単純に公式サポートの有無だけで比較するのではなく、必要なサポートと、そのためのコストを考えることが大事だと思っています。

「保守アップデートに手間や費用がかかる」

ーーもうひとつ、「WordPressは保守やアップデートに手間や費用がかかる」という声もあります。
これも先ほどのお話に通じるところでしょうか。

彦坂さん

まさに、通じる話だと思います。

WordPressの場合、保守は必ず必要になります。

それを外部に委託するか、自分たちで対応するか。
どちらにしても、誰かが作業する必要がありますから。

そのうえで、どの程度の保守やサポートが必要なのかは、サイトの目的や運用方法によって変わってきます。

手厚いサポートを受けるために費用をかけるのか、それとも最低限の保守で費用を抑えるのか。

そういったことも含めて、どのシステムを選ぶか考える必要があると思います。

ーー以前は、保守やアップデートのことまで深く考えずに、WordPressでサイトを作るケースも多かったのでしょうか。

彦坂さん

正直、ありましたね。

弊社がWordPressの保守サービスを正式に始めたのは2022年6月なんですが、当時はセキュリティの話をしても、なかなか関心を持っていただけませんでした(苦笑)。

それが、2024年のAIがちょっと出始めた頃から少しずつ変わり始めて、2025年に入ってからは、セキュリティに関心を持ち、積極的に対策を考える方も増えてきたと感じています。

以前はハッキング被害についても、今ほど身近な問題として感じることはありませんでした。

彦坂さん

もちろん、WordPressは当時から保守が必要なシステムでした。

ただ実際の現場では、その必要性があまり意識されていなかったんですね。

それがここ数年で、目に見える問題として顕在化してきたと感じています。

関連記事:

「WordPress保守代行は必要?専門家に聞いた判断基準とよくあるトラブル 」

WordPressのセキュリティ事情が近年どう変わったのか、AIによる攻撃の変化も含めて詳しく伺っています。

WordPressの保守・セキュリティ対策について、サイト引越し屋さんのサービスを見る→

「ヘッドレスCMSの方が安全」

ーー近年では、「WordPressよりもヘッドレスCMSの方が安全」という声もありますよね。

彦坂さん

そうですね。

管理画面と公開サイトを切り離すことで、セキュリティを高められるという考え方ですね。

ただ、実はWordPressにも、似たような考え方でセキュリティを強化する方法があるんです。

例えば、保守をしていてもセキュリティが不安なので、WordPressを使い続けながら、もっと安全に運用できないかというご相談をいただくことがあります。

そういう場合にご提案する方法の一つが、「WordPressの静的化」です。

具体的には、使い慣れたWordPressの管理画面はそのまま残して、編集用のサーバーで運用します。

そして、そこで作成したページをHTMLファイルとして書き出し、別の公開用サーバーに配置するんです。

そうすると、一般の閲覧者がアクセスするのはHTML化されたサイトなので、公開側にWordPress本体を置く場合と比べて、攻撃されるリスクを大きく減らせます。

▼図解:WordPress静的化のイメージ
WordPressの編集用サーバーからHTMLファイルを書き出し、別の公開用サーバーで閲覧者に配信する静的化の仕組みを示した図
彦坂さん

最近は「WordPressかヘッドレスCMSか」という話になりがちですが、その間にはWordPressを静的化するという選択肢もあるんですね。

本来はそれぞれに適した用途があるはずなのに、WordPressとヘッドレスCMSの二項対立のような構図をよく見るのは、ちょっとビジネスの匂いを感じます(笑)。

ーー ポジショントーク的な(笑)。
ちなみに、ヘッドレスCMSとWordPressの静的化は、具体的にどう違うのでしょうか。

彦坂さん

まず、仕組みが違います。

WordPressの静的化は、WordPressで管理しているWebサイトのデータをHTMLとして書き出し、それを公開する方法です。

あくまで目的はWebサイトだけになります。

対してヘッドレスCMSは、コンテンツを一元管理して、それをWebサイトだけでなく、アプリなど複数の場所で利用できる仕組みです。

ただ、弊社はヘッドレスCMSの専門家ではないので、あまり偉そうなことは言えないんですけど(笑)。

彦坂さん

ヘッドレスCMSには、情報を一元管理できるメリットがあります。

ただその一方で、どこに、どのような形で情報を表示するかという設計や、フロントエンドの開発が必要になります。

そのため、セキュリティ面ではメリットがあっても、構築や運用の負荷はWordPressより大きくなる場合があると思っています。

ーーセキュリティだけでなく、導入後の運用まで考える必要があるわけですね。

彦坂さん

そうなんです。

例えば、今までWordPressの保守に月額1~2万円かけていた企業が、ヘッドレスCMSに移行することで、サービス利用料や開発・運用費用が増える場合もあります。

もちろん、そのコストに見合うメリットがある企業なら、ヘッドレスCMSを選ぶ意味は十分あると思います。

ただ、なんとなく「ヘッドレスCMSの方がいいらしい」という理由だけで移行してしまうと、あとから戻すのも大変です。

それに、WordPressは対応できる制作会社やフリーランスが多く、情報も豊富です。

必然的に業者間の競争原理も働くので、構築や保守の費用を抑えやすいという面もあると思います。

彦坂さん

もう一つ、個人的に一番気になるのは、サービスの提供元に依存するリスクですね。

いち民間企業が提供するサービスの場合、会社自体が存続していても、サービスが終了してしまう可能性はあります。

そうした点も踏まえると、セキュリティを強化したいということが主な目的なら、WordPressの静的化で対応できないか?という選択肢も検討していいと思うんです。

わざわざ環境をすべて変えて、運用コストを上げる必要があるのか。
そこは考えたいところですね。

ーーWordPressの静的化は有効な方法に思えますが、デメリットはありますか?

彦坂さん

もちろんあります。

静的化すると、WordPressのプラグインなどを使った動的な処理が、そのままでは動かなくなる場合があります。

例えば、WordPressをブログやお知らせの更新など、比較的シンプルな用途で使っているサイトなら対応しやすいんですが、複雑な検索機能や予約システムなどが組み込まれているサイトでは、静的化が難しくなるケースもあります。

なので、静的化すればすべて解決するというわけでもありません。

結局は、サイトで何を実現したいのかによって、適した方法が違うということですね。

「WordPressはもう古い」

ーーここまで、WordPressに対するさまざまな声について伺ってきました。
そもそも「WordPressはもう古い」という意見も、何年も前から見かける気がします。
それでも、現在までこれだけ多くの人に使われ続けているのは、なぜだと思いますか?

彦坂さん

これはWordPressを愛用している方にも共感していただけると思うんですが、やっぱり「WordPress自体が時代に合わせて進化している」ことが大きいと思います。

例えばWixやJimdoのように、直感的な操作でWebサイトを作れるサービスが登場した際、WordPressにもブロックエディターが導入されて、日々使いやすく改良されています。

また最近ではAIとの連携も進んでいて、MCPを使ってAIからWordPressを操作するといった取り組みもあります。

その時代に求められる機能や仕組みを、WordPressも取り入れ続けているんです。

彦坂さん

だから「WordPressは古い」という意見も、人によって意味が違うとは思いますが、システム自体は日々進化しています。

むしろ、WordPressの進化をキャッチアップできていなかったり、新しい機能を十分に活用できていなかったりすることで、古い使い方のままになっていることもあるんじゃないでしょうか。

そうすると、ほかの新しいサービスで「こんなことができます」と紹介されたときに、そちらのほうが優れているように感じてしまう。

でも、実はWordPressでもできることだった、という場合もあると思うんです。

ですから、WordPressが古いと感じたときこそ、今のWordPressでは何ができるのか、もう一度確かめてみていただきたいですね。

そうやって時代に合わせて進化してきたことが、今も大きなシェアを維持している理由の一つだと思います。

「これWordPressじゃなくていいよね?」なサイトとは

ーーWordPressは今も進化していて、できることも多い。
ただ、そもそも「これ、別にWordPressじゃなくても良くない?」というサイトが、WordPressで作られているケースもありますか?

彦坂さん

全然あると思いますね(笑)。

わかりやすいところでいうと、例えばLP(ランディングページ)です。
正直、WordPressじゃなくてもいいと思うんですけど(苦笑)。

あとは、1ページ完結型のコーポレートサイトですね。

ナビゲーションをクリックすると、同じページ内の各セクションに移動するような、縦長のホームページです。

こうしたサイトも、HTMLだけで十分な場合がありますし、むしろそのほうが適していることもあると思います。

ーー今ではホームページを作るための選択肢も増えていますよね。
実際に、WordPress以外の方法をお客様に提案することもあるのでしょうか。

彦坂さん

もちろんあります。

例えば、ページ数が少なくて、公開後の更新もほとんどないようなサイトなら、HTMLでいいんじゃないでしょうか。

動的な機能や、プラグインを使った仕組みが必要ないのであれば、あえてWordPressを使う必要はないと思います。

そういう場合は、ほかの方法も含めてご提案しています。

ーーでは例えば、WixやJimdoなどのSaaS型サービスが適しているのは、どんなサイトでしょうか。

彦坂さん

弊社のお客様を見ていても、「まさにこういう会社さんに向いているな」というケースがあります。

例えば、5ページ程度の小規模な会社のホームページを、ご自身でサクッと作りたいという場合ですね。

最初から自分で作って、自分で編集できる環境が欲しいという方には、WixやJimdoは使いやすくて、いいサービスだと思います。

ーー逆に、そこからWordPressへ移行したほうがいいサイトもあるのでしょうか。

彦坂さん

ありますね。
弊社でも、そうした移行を支援しています。

例えば、会社や事業が成長するにつれて、Webサイトでやりたいことが増えてくるケースです。

ページが増えてきて、ページ同士を連携させたいとか、新しい機能を実装したいとか。

そうした要望が出てきたときに、今使っているサービスでは実現が難しく、WordPressへの移行を選ばれることがあります。

彦坂さん

それから、表示速度やSEOの課題をきっかけに、ご相談いただくケースもあります。

例えば、ブログの記事を増やして検索からの集客が伸びてきたものの、サイトの表示速度などに課題が出てきて、これ以上コンテンツを増やしていくうえで不安がある、といった場合に、WordPressへの移行を検討されることがあります。

ーーなるほど。
サイトの規模や、やりたいことが変わってくると、適したシステムも変わってくるわけですね。

彦坂さん

そうですね。

あと、ECサイトのご相談を受けたときは、WordPressで自前のECサイトを構築するよりも、ShopifyやBASEなど、ECに特化したサービスをおすすめすることもあります。

WordPress「から」の移行にも対応している理由

ーー御社では、以前からアメブロやMovable Typeなど、外部サービスからWordPressへの移行を手がけていらっしゃいますよね。
最近では、ほかに移行対応しているサービスはありますか?

彦坂さん

あります。

例えば、現在ではnoteからWordPressへの移行に対応しています。

ーーnoteからWordPressにも移行できるんですか。

彦坂さん

結構強引な感じにはなっちゃうんですけど(笑)、対応できます。

noteはすごく使いやすいですし、拡散力もある優れたサービスだと思います。

ただ、企業がWebサイトを自社の資産として長期的に育てていこうと考えたとき、独自ドメインを使うための費用がネックになる場合があります(note有料プランが必要)。

noteでコンテンツが育ってきたからこそ、今度は自社のドメインで運用していきたい。

そういった理由で、WordPressへの移行を選ばれるケースもあります。

彦坂さん

あとはSTUDIOですね。

面白いのが、STUDIOからWordPressに移りたいという方もいれば、逆にWordPressからSTUDIOに移りたいという方もいらっしゃるんです。

弊社では、どちらの方向の移行にも対応しています。

ーーWordPress「から」の移行も対応しているんですね!

彦坂さん

弊社としてはWordPressへの移行が一番得意なので、そうしたサービスを中心にご紹介はしています。

ただ、実際にお客様のサイトを拝見すると、WordPressが必ずしも最適な選択肢ではないケースもあるんですね。

そうした場合には、WordPressからほかのサービスへの移行にも対応しています。

また、ヘッドレスCMSについても、現時点ではまだ移行案件を手がけたことはないんですが、今後お客様に適したケースが出てきたときに対応できるよう、研究を進めているところです。

ーー決してWordPressに固執しているわけではなく、お客様の状況に合わせて柔軟に対応されているんですね。

彦坂さん

そうなんです。

ポジショントークだと思われてもよくないので、ちょっとぶっちゃけた話をするとですね(笑)。

WordPressって、すでにシェアが非常に大きいじゃないですか。

ですから、今からWordPressに引っ越そうという方は、以前より少なくなっていると感じています。

私がサービスを始めた2017年頃は、WordPressがまだ伸びている時期だったので、移行したいという方もたくさんいらっしゃいました。

でも、正直そのニーズは年々減ってきている印象なんです。

彦坂さん

なんなら弊社からすると、WordPressにしがみつくよりも、いろいろなサービスの間で引っ越しのニーズが生まれたほうが、お仕事があるんですよ(笑)。

だから、WordPressが一番優れていると言うつもりはありません。

世の中でどんなサービスが求められているのか、どんな移行のニーズが生まれているのか。そういったことを日々見ながら、必要とされるサービスを提供できるようにしていく、というのが弊社の方針です。

そういう意味では、WordPressの回し者というわけでもないので(笑)。

もちろん、現在はWordPressを中心に扱っていますが、お客様の状況や運用方針に合わせて、最適な選択肢をご提案したいと思っています。

WordPressへの移行・WordPressからの移行について、サイト引越し屋さんのサービスを見る→

「こういうことで困っているんだけど、どうしたらいい?」と相談してほしい

彦坂さん

あと、もう少し技術的な話でいうと、ちょっと面白い話がありまして。

ーーお、ぜひお願いします!

彦坂さん

例えば、会社のコーポレートサイトはそのままに、同じドメインの「/blog/」という部分だけを、別のサーバーでWordPressを使って運用することもできるんです。

これは「リバースプロキシ」という技術を使った方法です。

例えば上場企業などで、本社のサーバーには外部の業者が触れられないけれど、ブログの運用は外部に任せたい、というケースがあります。

そういうとき、本社のサーバーはそのままにして、ブログの部分だけ別のサーバーで管理する。

万が一ブログ側で問題が起きた場合も、切り離して対応できるようにするんです。

この方法は、なかなか知られていないと感じています。

(参考: サイト引越し屋さんお役立ち記事「リバースプロキシを用いてサブディレクトリを別サーバー運用する方法」 )

図解)リバースプロキシの仕組みを見る
リバースプロキシを利用し、同じドメインのコーポレートサイトとWordPressブログを別々のサーバーで運用する構成図
彦坂さん

とにかく、何が言いたいかというとですね(笑)。

WordPressを使うか使わないかにかかわらず、サイトの運用方法やセキュリティ対策には、実はいろんな選択肢があるんです。

ーーつまり、読者の方も「こういうことで困っている」という段階で相談すれば、それに合った方法を提案していただけるということでしょうか。

彦坂さん

もちろんです。それが日頃のメインの業務ですから。

基本的には「これをやってください」と作業を指定していただくよりも、「こういう悩みがあるんです」と相談していただいて、そこから解決方法をご提案する形で進めていきます。

「こういうことで困っているんだけど、どうしたらいい?」と相談していただければと思います。

メッセージ「Webサイトのことで悩まず、本業に集中してほしい」

サイト引越し屋さん公式サイトより

ーー最後に、この記事を読んでくださっている方へ、メッセージをお願いします。

彦坂さん

「WordPressはもうやめたほうがいいのかな」と不安に思っている方もいれば、そもそも自社のWebサイトをどんな仕組みで運用すればいいのか、悩んでいる方もいらっしゃると思います。

ただ本来、事業者の方が「どんな仕組みを使おうか」とか、「セキュリティはどうしよう」といったことに、時間や手間をかけすぎるのは、僕はちょっともったいないと思っているんです。

餅は餅屋じゃないですけど、ご自身の事業に集中していただいて、Webサイトの管理やセキュリティについては、専門の業者に任せる。あるいは、体力のある会社であれば、専任の担当者を置く。

そういう形がいいんじゃないかなと思っています。

彦坂さん

ですから、この記事を読んで「今の自社サイト、このままでいいのかな」と疑問に思われた方がいらっしゃったら、その悩みをそのままぶつけていただければと思います。

弊社にご依頼いただくかどうかは別としても、「御社の場合は、こういう方法がいいと思いますよ」といったご提案はできますので。

まずはそうした悩みをなくしていただいて、本来の事業に集中してほしいんです。

そこでしっかりサービスを提供したり、売上を上げたり、成果を出していただく。

私たちは、そのための裏方として支援していきたいと思っていますので、悩まずにご相談いただければと思います。

WordPressの移転・保守・トラブル対応について、サイト引越し屋さんに相談する→

取材後記

今回の取材で印象的だったのは、WordPressの移転や保守を専門とする会社でありながら、必ずしもWordPressを勧めているわけではない、ということでした。

「ユーザーが多いから標的にされやすい」という指摘には、あっさりと「本当におっしゃるとおりです(笑)」。

WordPressを扱う専門家だからこそ、その長所だけでなく、短所や限界もよく知っている。そんな印象を受けました。

そして、取材の最後にいただいた「事業者には本業に集中してほしい」というお話。

考えてみれば、Webサイトを運営すること自体が、多くの事業者にとって本来の目的ではありません。

Webサイトを通じて何を実現したいのか。

サイト引越し屋さんが提供しているのは、単なる「サイトの移転作業」ではなく、そうした悩みを解決するための技術と知見なのだと感じました。

よく読まれている記事

WordPress保守代行は必要?専門家に聞いた判断基準とよくあるトラブル

WordPressを運営しているなら、一度は知っておきたい保守の基本知識。

専門会社への取材をもとに、判断基準や現場の実態をまとめました。

詳しく読む→