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サイトポリシー公開日:2026.08.18
ナイト店舗のクレジットカード導入は本当に難しい?決済会社に審査の実態を聞いた

キャバクラやホストクラブなどのナイト店舗では、クレジットカード決済の需要が高い一方で、「決済会社によっては申し込みを受け付けていない」「審査が厳しい」といった話も聞きます。
2026年には、ナイト店舗を多く加盟店に抱えていた決済代行会社・全東信の破産もあり、決済会社選びにあらためて不安を感じたオーナーもいるかもしれません。
実際のところ、ナイト店舗のキャッシュレス決済導入は、一般的な飲食店と何が違うのでしょうか。
今回は、ナイト店舗への導入実績を多く持つ決済代行会社「アルファノート株式会社」の担当者さんに、審査や導入後のサポート、決済会社を選ぶ際に知っておきたいことまで聞きました。
話を聞いてみると、私自身が事前に抱いていたイメージとは、少し違ったようです。
ナイト店舗のクレジットカード決済は、一般的な飲食店と何が違う?

ーーまず基本的なところから教えてください。
ナイト店舗は、クレジットカード決済の需要が高い一方で、一般的な飲食店と比べると、決済会社によっては取り扱いが難しい業種というイメージがあります。
この認識は合っていますか?

はい。
一般的な飲食店と比較した場合、キャバクラやホストクラブなどの「接待を伴うお店」については、そう認識いただいて相違ないと思います。
ーーまず、需要が高いのはなぜでしょうか?

キャッシュレスの需要が高い要因としては、基本的にお会計が高額になりやすいことですね。
さらに、お客様にとって「その日どれくらいお金を使うのか」が読みにくい業態でもあります。
そうすると、現金だけで支払うのは現実的ではありません。
また、以前からある売掛(いわゆるツケ)に代わる支払手段として、キャッシュレス決済が使われている側面もあると思います。
ーーでは需要が高い中で、ナイト店舗を取り扱っていない決済会社もあるのは、なぜなのでしょうか?

まず前提として、他社さんが実際にどのような審査基準や方針を設けているのかは分かりません。
ですので、あくまで決済会社の立場から「こういう点はリスクが高いと考えられる」という観点でお話ししますね。
ひとつは先ほどお話ししたように、一回のお会計が高額になりやすいことです。
また、お酒を飲んだ状況で高額な決済が行われることで、後から「こんな金額を支払った覚えがない」といったトラブルにつながる可能性もあります。

そういった、リスク値が高くなりがちな業態の店舗を審査するには、一定のリソースが必要です。
そのため決済会社の体制や方針によっては、「一律で取り扱わない」という判断をしているケースもあるのかなと思います。
ナイト店舗だから、特別な審査をしているわけではない

ーーその中で、アルファノートがナイト店舗を取り扱えるのはなぜなのでしょうか?

一言でいうと、審査の体制によるところが大きいと思います。
当社では、Web上の手続きだけで完結させるのではなく、担当者が店舗ごとの状況を細かく確認しています。
必要書類の確認はもちろん、「どういう業態なのか」「どんなサービスを提供しているのか」「どれくらいの単価なのか」といったところまで、担当者が細かくヒアリングします。
そうすると、私たち自身がその店舗についてしっかり理解したうえで、カード会社へ申請できます。
カード会社へ提供できる情報も増えますので、店舗の営業実態がより伝わりやすくなるんですね。

昔ながらのやり方と言えるかもしれません。
人を介して一件一件確認しながら、必要なところでテクノロジーも使う、いわばハイブリッド型です。
ただこれは、ナイト店舗に対応するために、特別なことをしているわけではないんです。
もともと当社が、一件一件の店舗をしっかり見て判断する体制を取っている。
その「結果」として、ナイト店舗を含め、比較的幅広い業種に対応できている。
そういうことだと思います。
実際の審査は、一般的な飲食店と大きく変わらない
ーーでは実際に、ナイト店舗の審査では、一般的な飲食店より必要な書類が多くなるのでしょうか?

基本的には、そこまで大きく変わりません。
例えば、風俗営業に該当する店舗さんであれば、その許可については必ず確認します。
また飲食店ですので、飲食店営業の許可証もご提出いただきます。
そのほか、Web上で店舗の情報が確認できない場合には、外観や内観の写真をご提出いただくこともあります。
ただ、それ以外については、一般的な店舗さんと比べて特別な情報がたくさん必要になる、ということではありません。
ーー案外、普通なんですね。

そう捉えていただいて問題ないと思います。
ナイト店舗だから特別な審査フローを用意している、というわけではないんですよね。
当社の場合は、一件一件の店舗について営業実態を確認したうえで、カード会社へ申請しています。
ーーここまで聞くと、「審査で細かく見られる」というより、「最初の段階で、しっかりお店のことを見てもらえる」と考えた方がよさそうですね。

そうですね。
ただ、当社でもお取り扱いできないケースはあります。
例えば、申請された内容と実際の営業実態が大きく異なっていたり、虚偽の申請が確認された場合ですね。
店舗の評判や口コミなども確認します。
過去に別の名義でお申し込みがあった店舗ではないか、といったところまで確認することもあります。
ーーまずは、実際の営業内容を正しく伝えることが大切なんですね。

はい。
ただ、必ずしも店舗さんが意図的に違う内容で申請しているとは限らないんです。
カード決済の審査で「何をどこまで伝える必要があるのか」は、一般の店舗さんには分かりにくいと思います。
審査基準もすべて公開されているわけではありません。
そのため、例えば「飲食店と書いておけばいいかな」という感覚で、必要最低限の情報だけで申し込んでしまうこともあると思うんですね。
その点、当社では最初に店舗の業態や営業内容を細かく伺いますので、まずは実際の営業内容をそのままお話しいただければと思います。
「導入できるか」だけでなく、その後のサポートも大切

ーーここまでのお話を聞くと、「審査に通るかどうか」だけで決済会社を選ぶものでもなさそうですね。
導入後も長く使っていくものですし、ほかに決済会社を選ぶ際のポイントはありますか?

決済会社選びのポイントで言えば、サポート体制はひとつあると思います。
当社の強みの話にはなるんですが、24時間365日対応のサポート窓口を設けています。
ーー24時間365日のサポートは、夜間営業のナイト店舗にとっては特にありがたいと思うのですが、実際に夜間の問い合わせもあるのでしょうか。

あります。
当社では創業当初からサポート体制を重視し、24時間365日、有人による電話対応ができる環境を整えてきました。
夜間営業の店舗では、当然ながら決済に関する問い合わせも夜間に発生します。
決済という「お金」に関わるサービスを提供している以上、何かあったときに問い合わせる窓口がない状態は避けたい、という考えがあります。
ーー実際、夜間にはどんな問い合わせが多いですか?

以前と比べると減ってきていますが、例えば一時的に通信環境が不安定になって、決済ができないといった問い合わせはありますね。
Wi-Fiに接続している場合であれば、現在の通信環境を確認して、ルーターの再起動や再接続をご案内するなど、その場で復旧できるように対応します。
あとは、決済エラーについてのお問い合わせもあります。
「お客様のカードで決済しようとしたらエラーが出たけど、何が原因なの?」といったご相談ですね。
もちろん当社側ですべての原因が分かるわけではありませんが、確認できる範囲で情報を調べて、例えばカード会社側で決済が通っていないのであれば、「お客様からカード会社へ確認していただく必要がありそうです」といったところまでご案内できます。

店舗さんにとって、「困ったときは、とりあえずここに電話して聞けばいい」という、最後の砦のような存在になれているのかなと思います。
ーー通信環境や決済エラーというと、これも案外普通というか、「ナイト店舗特有のトラブル」というわけでもないんですね。

そうですね。
こうしたお問い合わせは、業種を問わずあると思います。
ただナイト店舗の場合は、それが深夜に起こります。
だからこそ、その時間に対応できる窓口があることに意味があると思っています。
暗証番号入力の必須化で、持ち運べる端末が活きる

ーーほかにも、ナイト店舗ならではで「これは喜ばれているな」と感じるものはありますか。

持ち運びができる当社の決済端末は、ナイト店舗さんとの相性がいいと思います。
クレジットカード決済では、現在は暗証番号の入力が原則必須になっています。
以前であれば、お会計の際にスタッフがお客様からカードを預かって、店内の固定式端末まで持っていき、決済を済ませて伝票をお持ちする、といった対応もできました。
ところが暗証番号の入力が必要になると、固定式の端末では、お客様自身に端末のある場所まで移動していただく必要が出てきます。
特に高級店などでは、お客様へのおもてなしを非常に大切にされています。
当社で取り扱っている端末は持ち運びができますので、テーブルまで端末をお持ちして、その場で暗証番号を入力していただけます。

ーーそれは大きいですね。
お客様としては、お会計をスマートに済ませたいですもんね。

そうなんですよ。
単に「持ち運べて便利」というだけではない、ということですね。
お客様を席から立たせることなく、その場でお会計を完結できるのは、おもてなしを重視される店舗さんには特に重宝いただける点だと思います。
実際にこの制度変更は、当社がナイト店舗さんへの導入を増やしていく、ひとつのきっかけにもなりました。
【筆者補足】
2025年4月より、ICクレジットカードの対面決済では、暗証番号(PIN)の入力をスキップしてサインで本人確認する「PINバイパス」が廃止されました。
そのため、現在は原則として暗証番号による本人確認が必要です。
開店準備中でも、まずは気軽に相談してほしい
ーー最後に、ナイト店舗のオーナーさんへ、お伝えしたいことはありますか?

まず、これはナイト店舗さんに限った話ではありませんが、今回の全東信さんの件も含めて、キャッシュレス決済に対して、何らかの不安を感じている店舗さんもいらっしゃると思います。
例えば、通信を使うものですから、「もし決済できなくなったら困る」といった心配もありますよね。
また、今すでにキャッシュレス決済を使っている店舗さんでも、何か不安や不満があれば、一度見直す機会を持っていただけたらと思います。

例えば「通信が安定しない」「今より手数料を抑えられないか」といった、本当に小さなことでも構いません。
不満はあるけれど、「キャッシュレス決済ってこういうものだろう」と、そのまま使い続けている店舗さんも、いらっしゃると思うんです。
そういったことも含めて、まずは一度ご相談いただければ、担当営業が細かくお話を伺います。
できる限り不安を解消したうえで、導入や見直しを検討していただければと思っています。
これからオープンする店舗さんであれば、まだお店の環境が整っていない段階でも大丈夫です。
ーー実際、オープン前に相談される店舗さんも多いのでしょうか?

多いですね。ただ、かなり直前になってからご相談いただくことも多いです。
物件が決まってからは、営業許可や店内の設備など、オープンまでに準備しなければならないことがたくさんありますよね。
キャッシュレス決済も必要ではあるんですが、ひとまず営業自体はできますので、どうしても準備の優先順位が下がって、忘れられがちなところがあると思います。

ただ、決済の導入には審査期間もあります。
あまりに直前ですと、オープン時点では一部のカードブランドしか利用できない、といったこともあります。
ーーでは、まだ工事中だったり、営業許可証が揃っていなかったりする段階でも、「まず相談してみる」でいいんですね。

もちろんです。
「何月くらいにオープンする予定です」「ちょっと話だけ聞いておきたい」「資料だけもらっておきたい」というくらいでも、全然構いません。
早めにお話をいただければ、「この時期にはこれが必要になります」「このくらいになったら、こちらからまたご連絡します」といった形で、今後の流れについてもお話しできます。
まだ準備が整っていない段階でも、一旦こちらにボールを投げてもらえればと思います。
取材後記

正直なところ、取材前は「ナイト店舗のカード決済導入」に関して、もっと特殊な世界を想像していました。
事実、取り扱いをしていない決済代行会社もあります。
ところがアルファノートの話を聞いてみると、必要な書類も審査の流れも、一般的な飲食店と大きく変わらないとのことです。
しかし、だからといって「審査が緩い」わけではなく、むしろその逆でした。
店舗について人が話を聞き、業態や商材、単価までヒアリングする。
もともと一件一件をしっかり見る会社だから、その結果としてナイト店舗に対応できている、そんな話だったことが印象的でした。
決済サービスは導入して終わりではなく、その後も長く使っていくものです。
そう考えると、最初にお店を深く理解してもらえるのは、むしろ安心材料なのではないでしょうか。
「自分のお店でも導入できるのだろうか」と心配している方も、業態を取り繕わず、まずはそのまま相談してみるのが良さそうです。