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公開日:2026.01.11

訪日客の帰国後販売を始める方法【越境ECなし・個人事業者向け】

以前に来店してくれた海外のお客さんから、「気に入ったからまた買いたい!もう帰国した後だけど、発送ってできます?」と、InstagramにDMが届いた!

ビジネスチャンスだし、嬉しいから応えたい。
でも、支払いや発送が難しそうだな。

海外向けオンラインショップ(越境EC)立ち上げなんて、それこそ大変だよね…。

”帰国後消費”の対応に一般的なのは越境EC。だが…

インバウンド需要が高まる日本において、訪日客の”帰国後消費”は大きな商機となっており、経済誌でも指摘されています。

『訪日客の「帰国後消費」に注目 7割が越境ECなどで再購買 小売り外食の海外出店後押し』

週刊エコノミストOnline 2025年8月18日

こうしたニーズに対して、店舗側の対応方法としてよく紹介されるのが「越境EC」です。

海外から購入できる、オンラインショップを用意する方法ですね。

ただし越境ECの運用には、
  • サイト構築
  • 多言語対応
  • 送料設定
  • 在庫管理や運用体制

など事前に検討すべきことが多く、小規模店舗にとってはハードルが高いのも実情です。

代表的なプラットフォームとしてShopifyがありますが、自分で立ち上げるには設定項目が多く、一定の知識や時間が必要になります。

「海外販売を本格的に進めたい」という段階であれば有力な選択肢ですが、まずは少量・個別対応から始めたい場合には、オーバースペックになりがちです。

越境ECじゃなくて「クロスバウンド販売」という考え方

本記事で提案するのは、訪日中のリアルな接点を起点に、帰国後もオンラインで販売する「クロスバウンド」という販売方法です。

クロスバウンド販売には、次のような特徴があります。

  • EC起点ではない
    すでに訪日中に接点があり、集客は終わっている状態です
  • 相手は「知っているお客さん」
    商品を理解したうえで、リピート購入を検討しています
  • 1件ずつ、個別に対応できる
    大規模な仕組みや在庫管理は必要はありません

つまり、「海外向けに売る仕組みを作る」のではなく、「また買いたい」と言ってくれた人に応えるという発想です。

【実践】Square請求書 × 国際郵便で始めるクロスバウンド販売

「帰国後の外国人客への販売」にあたり、ハードルになり得るのは結局、2つだけです。

  • どうやって支払ってもらうの?
  • どうやって送るの?

この2つさえクリアできれば、あとは国内販売と大きく変わりません。

この記事では、
  • 支払い:カード決済の請求書
  • 発送:日本郵便

による、シンプルな始め方を紹介します。

Square請求書。メールでカード決済リンクを顧客に送る

Square公式サイト

Square請求書は、顧客にクレジットカード決済リンクを、メール送信するツールです。

Square請求書の特徴・メリットは以下の通り:

  • 初期費用・月額固定費・解約金などすべて無料
  • コストは決済ごとの手数料3.25%のみ
  • 入金は週1回(一部銀行では翌営業日)で、振込手数料も無料
  • 無料アカウントの作成だけで、最短当日から利用可能

通常、海外向けのECサイト構築を制作会社に依頼すると、数十万円規模の費用がかかるケースも少なくありません。

それに対して、Square請求書は特別なシステム構築を行わずに始められるのが大きな特徴です。

「まずは、お客さんのニーズに応える形で海外販売を試してみたい」
という段階であれば、必要十分な機能を、最小限の負担で使える方法と言えるでしょう。

また、Squareは世界的に利用されている決済プラットフォームの一つで、海外のお客さんにとっても、比較的なじみのある決済手段です。
そのため、支払い面での心理的なハードルを下げやすい点もメリットです。

国際郵便。郵便局から海外発送

日本郵便公式サイト

海外発送でもっとも手軽な方法の一つが、日本郵便が提供する国際郵便サービスです。

EMS(国際スピード郵便)をはじめ、発送先の国や荷物の条件に応じて、複数の発送方法から選ぶことができます。

やることは基本的に次の通り、いたってシンプルです。

  • 送り状など必要書類を作成
    パソコン・スマホから簡単に行えます
  • 荷物を梱包して、最寄りの郵便局に持ち込む
    発送方法によっては集荷依頼も可能

公式サイトでは初心者向けのガイドページが用意されており、お近くの郵便局に行けば丁寧に教えてくれるでしょう。

発送先の国や荷物の内容によって、利用できる発送方法や条件が異なる場合があります。
実際の発送時には、郵便局で内容を伝えた上で確認するのが確実です。

まずはSquareアカウントの作成から(無料)

【実践フロー】InstagramのDMから始まる、帰国後販売の流れ

ここでは、実際によくあるケースを想定して、クロスバウンド販売の流れを見ていきましょう。

以前に来店してくれた訪日客から、お店のInstagramのDMに、こんなメッセージが届きました。

Step1. 住所をメールアドレスを尋ねる

訪日観光客

I loved the item I bought at your shop when I visited Japan!
I’m back home now — do you offer international shipping?

(日本旅行の時に買った、あなたのお店の商品が、とても気に入りました!
もう帰国しているけど、海外発送ってできますか?)

お店のスタッフ

Thank you so much — I’m really happy to hear that!

First, I’ll check if shipping is possible and confirm the shipping cost.
Could you please share your shipping address and email address?

If shipping is available, I’ll send you an email with a card payment link including the item price and shipping fee.
Once the payment is completed, I’ll proceed with shipping.

(ありがとうございます!気に入っていただけて嬉しいです。
まず、発送可否と送料を確認しますね。
お届け先の住所と、メールアドレスを教えてもらえますか?
発送に問題なければ、商品代金と送料を含めたカード決済リンクを、メールでお送りします。
内容の確認と決済いただき次第、発送いたします

訪日観光客

Sure!🙂
Here’s my shipping address:
XXX Street, Sydney NSW XXXX, Australia
Email: XXX@gmail.com

(OKです!住所は、オーストラリア・シドニーXXX。
メールアドレスはXXX@gmail.com です)

【参考:便利な翻訳ツール】

届いたメッセージを日本語に訳したり、返信文を英語で作成するには、翻訳ツール「DeepL」が便利です。

無料で、会員登録も不要。
テキストを貼り付けるだけで、瞬時に任意の言語へ高精度で翻訳してくれます。

DeepL公式サイト

Step2. Square請求書を作成

日本郵便のサイトなどで送料を確認したら、Square請求書(決済メール)の作成です。

以下が実際の作成画面で、早ければ1分で完了します。

  1. 顧客情報
    名前とメールアドレス
  2. 件名
    例:「Payment Request for Your Order (Tenugui + Shipping)」
    (決済リクエスト-商品+送料)
  3. メッセージ
    例:Thank you for your inquiry.
    Please complete the payment using the link below.
    Once the payment is completed,we will proceed with international shipping.
    (お問い合わせいただきありがとうございます。
    下記リンクよりお支払い手続きをお願いいたします。
    お支払いが完了次第、国際配送の手配を進めてまいります)
  4. 商品と送料
    ※請求額は円建てで表示されますが、海外のお客さんが支払う際に、カード会社のレートで現地通貨に換算されます。店舗側は円のままで問題ありません。

以上を入力したら、「送信」ボタンを押すだけです。

Step3. メールから決済(お客さま側)

あとはお客さま側の操作です。

  1. 請求メールが届くので、
  2. 決済ページを開いてカード決済してもらいます。

【参考:表記言語について】

  1. メールの表記は、日本語もしくは英語が選択可能。Square設定画面から簡単に変更できます。
  2. 決済ページの表記は、お客さまがお使いのスマホの言語が反映されます。

関連記事:メール表記を英語に設定する方法

Step4. 通知が届いて決済完了!商品を発送

お客さまがカード決済を完了すると、お店側へ自動で「支払い完了メール」が届きます。
さらにSquareアプリをスマホに入れておけば、即時でプッシュ通知も届くため、忙しい時間帯でも見逃しません。

これで決済は完了!あとは商品を発送するだけです。

なお、Squareの管理画面では支払い状況や、メール開封状況まで一元管理できます。

【まとめ】まずは、一人のお客さんに応えることから

本格的な越境ECは、売れる実感が出てから考えれば大丈夫です。

まずは、「また買いたい」と言ってくれた1人に応える。

そのための手段として、Square請求書×国際郵便によるクロスバウンド販売は、ちょうどいい選択肢です。

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