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詳しく見る公開日:2025.12.05
インバウンドの無断キャンセル対策ガイド【保存版】
先日、都内の老舗和菓子店さんが、「訪日外国人のお客様、予約しても取りに来ない」とSNSで悩みを明かし、大きな話題になりました。
(店主さんは)「手作りで日持ちしないので、予約分でも廃棄せざるを得ない。『取りに来るかも…』と思い、店頭販売に回すこともできない」と話しています。
引用元:Yahoo!ニュース「【悲痛】無断キャンセルで名物『どら焼き』大量廃棄 週3~4回発生することも…老舗和菓子店が嘆き「何の返答もないことが…」」
無断キャンセルは多いときで一週間に3~4回あり、約80個を廃棄したこともあるということです。
商品は翌日には消費期限を迎えてしまうため、売れ残ると廃棄、経営ダメージに直結します。
コメント欄には「事前決済にすればいいのでは?」といった声が多数寄せられていました。
事前決済、いいとは思うけどどうやるの?
確かに、事前決済は非常に有効です。
「もうお金を払ったし」と、無断キャンセルの抑止も期待できますし、もし来店されなくても利益は守られるため、小規模店ほど導入メリットが大きい。
ただし、ここで多くの店主さんが抱く疑問があります。

- 実際どうやって事前決済を導入するの?
- 振込は現実的じゃないよね?
- 設備投資が必要?
この記事では、こうした疑問にひとつずつ答えながら、個人店でも今日からできる事前決済フローを具体的に提案します。
なぜ無断キャンセルが起きるのか(連絡手段のミスマッチ)

まず前提として、なぜ無断キャンセルが起きるのか?を確認してみましょう。
訪日客と日本の店舗では「予約の文化」がまったく違います。
訪日客は電話しない
- 国際通話は高い
- ホテルWi-FiやポケットWi-Fiが前提
- 電話の習慣があまりない
SMS(携帯電話メッセージ)はほぼ届かない
- ローミング(海外通信)をオフにしている
- データ専用SIMではSMSが使えない
LINEは日本・台湾・タイ以外ではほぼ使われていない
“LINEで予約連絡”は訪日客に通用しません。
唯一の世界共通で確実な連絡手段が「メール」

訪日客が必ず使うのはメールアドレス です。
ホテル・航空券・ツアー・レンタカーetc.
すべてメールで管理されます。
- ホテルWi-Fiで必ずメールチェックする
- DMやSMSより到達率が圧倒的に高い
といった点で、予約確定に必要な連絡は、メールに一本化するのが最も合理的です。
事前決済は“メール×カード決済リンク”が最適解
ここで本題。
どうやって事前決済を実現するか?手順はこれだけです:
- 予約の問い合わせを受ける(DM・Googleマップ・店頭など)
- メールアドレスを教えてくださいと案内する
- メール宛に「カード決済リンク」を送る
- お客様がカード決済すれば予約確定(お店に通知が届きます)
海外のお客様は、ほぼ100%クレジットカードを持っているので、相性は抜群です。
Squareなら、その日から簡単に決済メールが作れる

「メール宛にカード決済リンクを送る」という今回の方法に適しているのが、Square(スクエア)という決済プラットフォームです。
Squareはアメリカ発のグローバルサービスで、世界中の小売店や飲食店で使われている、非常に認知度の高いブランド。
そのため、訪日客にとっても「これSquareの決済だ。安心して払えるな」とひと目で分かり、信頼につながるメリットがあります。
日本国内の事業者からも高い評価を得ており、ITレビューサイト「ITReview」ではアワードを受賞しています。

コストは決済手数料だけ。シンプルな料金体系で入金も早い
気になるコストについては、まず初期費用はゼロ円。特別なシステム構築や設備投資は不要です。
無料アカウントを作成し、クレジットカード加盟店審査が完了すれば(最短10分!)すぐに利用できます。
利用開始後も、かかるのは決済手数料3.25%だけ。
店頭でカード決済しても同様の手数料はかかりますから、「事前決済にしたからコストが増える」という心配はありません。
ほか、月額固定費や違約金、振込手数料、払い戻し手数料などすべて無料。
入金も週1回(下図参照)、さらに三井住友・みずほ銀行なら翌営業日と、キャッシュフロー面も安心です。

どの予約経路でも「メールアドレスをもらう」でOK
訪日客からの予約導線は複数ありますが、すべて「決済メールを送るので、メールアドレスを教えてください」の一言でOKです。
- InstagramのDMから(若い旅行者中心)
→メールに誘導 - Googleマップのメッセージから(欧米、東南アジアの観光客がよく活用)
→メールに誘導 - コンシェルジュ予約(ホテルなどが代理で電話)
→「お客様ご本人のメールアドレスを伺えますか?」と依頼
すべて「メールアドレスをもらう」のルールで統一できるため、店側のオペレーションは一気にシンプルになります。
店頭での口頭予約なら、その場で決済
店頭で「今日の○時にまた来るので、そのとき買いたい」など、口頭での予約ももちろんあるでしょう。
このケースなら、シンプルにその場で対面決済してもらえば良いだけです。
Squareはメール決済のみならず、対面のキャッシュレス決済にも対応。
さらに端末機器がなくても、スマホにかざすだけの「スマホでタッチ決済」という機能が備わっています。
■参考記事:【対応フロー例】Instagram DMで問い合わせが来た場合
予約問い合わせが届いてから、事前決済でまでの流れを見てみましょう。
「お店のInstagram宛に、DMで問い合わせがあった場合」で紹介します。
Step1. DMでメールアドレスを聞く
訪日客からDMで問い合わせがあったら、
- カードでの事前決済をもって予約完了としている
- 決済メールを送るためのメールアドレスを教えて欲しい
ことを伝えます。

Hello!
I’d like to reserve two boxes of your 8-piece yokan set.
Can I pick them up around 2pm tomorrow?
(こんにちは!羊羹8個入りを2箱予約したいです。
明日の午後2時ごろに受け取りできますか?)

Thank you for your inquiry!
We confirm reservations after advance credit card payment.
I will send you a payment link via email,
so could you please tell me your email address?
Your reservation will be confirmed once the payment is completed.
(お問い合わせありがとうございます!
当店では、ご予約は 事前のクレジットカード決済 をお願いしております。
決済用リンクをメールでお送りしますので、お客様のメールアドレスを教えていただけますか?
決済が完了した時点で、ご予約が確定となります。)
【参考:便利な翻訳ツール】
届いたメッセージを日本語に訳したり、返信文を英語で作成するには、翻訳ツール「DeepL」が便利です。
無料で、会員登録も不要。
テキストを貼り付けるだけで、瞬時に任意の言語へ高精度で翻訳してくれます。
Step2. Squareダッシュボードで決済リンクを作成
ここでSquareの出番です。
専用の管理画面から、請求書を作成・送信します。

必要なのは、
- 顧客情報
名前とメールアドレス - 件名
例:Payment Request for Reservation – Dec 15
(12月15日 受け取り予約の決済リクエスト) - サービス提供日
任意だが、予約日を入れておくとベター - メッセージ
例:
Thank you for your reservation request.
Please complete the payment using the link below.
Your reservation will be confirmed once the payment is completed.
(ご予約ありがとうございます。
以下のリンクから決済をお願いします。
決済が完了した時点で、予約が確定となります。) - 商品
直接入力できるが、あらかじめSquareに商品登録しておくとスムーズ
以上、あとは送信ボタンを押すだけです。
ほか任意で、リマインダーメールなども送信できます。
Step3. メールから決済(お客さま側)


あとはお客さま側の操作です。
- 請求メールが届くので、
- 決済ページを開いてカード決済してもらいます。
【参考:表記言語について】
- メールの表記は、日本語もしくは英語が選択可能。Square設定画面から簡単に変更できます。
- 決済ページの表記は、お客さまがお使いのスマホの言語が反映されます。
Step4. 通知が届いて予約完了!


お客さまがカード決済を完了すると、お店側へ自動で「支払い完了メール」が届きます。
さらにSquareアプリをスマホに入れておけば、即時でプッシュ通知 も届くため、忙しい時間帯でも見逃しません。
これで予約は完了!お客さまをお待ちするだけです。
まとめ
訪日客には、
- 電話
- LINE
- SMS
- DM
すべて安定しません。
唯一確実なのは メールアドレス。そして、メールと最も相性が良いのが Squareの決済リンク です。
初期費用ゼロ・固定費ゼロで始められるということは、リスクなしで気軽に試せるということです。
「海外のお客さんのノーショウに困ってる。でも、むげに断ることもしたくない」とお困りのオーナーさんは、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。