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公開日:2025.12.05

更新日:2025.12.19

インバウンドの無断キャンセル対策ガイド【保存版】

先日、都内の老舗和菓子店さんが「訪日外国人のお客様、予約しても取りに来ない」とSNSで悩みを明かし、大きな話題になりました。

(店主さんは)「手作りで日持ちしないので、予約分でも廃棄せざるを得ない。『取りに来るかも…』と思い、店頭販売に回すこともできない」と話しています。
無断キャンセルは多いときで一週間に3~4回あり、約80個を廃棄したこともあるということです。

引用元:Yahoo!ニュース「【悲痛】無断キャンセルで名物『どら焼き』大量廃棄 週3~4回発生することも…老舗和菓子店が嘆き「何の返答もないことが…」」

商品は翌日には消費期限を迎えてしまうため、売れ残ると廃棄、経営ダメージに直結します。

コメント欄には「事前決済にすればいいのでは?」といった声が多数寄せられていました。

事前決済、いいとは思うけどどうやるの?

確かに、事前決済は非常に有効です。

「もうお金を払ったから」と、無断キャンセルの抑止も期待できますし、もし来店されなくても利益は守られます。

ただし、ここで多くの店主さんが抱く疑問があります。

  • 実際どうやって事前決済を導入するの?
  • 振込は現実的じゃないよね?
  • 設備投資が必要?

この記事では、こうした疑問にひとつずつ答えながら、個人店でも今日からできる事前決済フローを具体的に提案します。

なぜ無断キャンセルが起きるのか(連絡手段のミスマッチ)

まず前提として、なぜ無断キャンセルが起きるのか?を確認してみましょう。

訪日客と日本の店舗では「予約の文化」がまったく違います。

訪日客は電話しない

訪日客にとって、電話はもっともハードルの高い連絡手段です。

国際通話は料金が高額になりやすく、着信した側にも費用がかかる国もあります。

また、旅行中の通信環境はホテルのWi-FiやポケットWi-Fiが前提となっているケースが多く、そもそも音声通話ができる状態にないことも珍しくありません。

加えて、海外では「お店に電話をかけて予約する」という文化自体があまり一般的ではなく、DMやメッセージアプリ、Webフォームなどが主流です。

この時点で、日本の「電話予約前提」という文化と大きなズレが生じています。

SMS(携帯電話メッセージ)はほぼ届かない

訪日客の多くは、自国の通信会社のローミング(海外通信)をオフにしています。理由は単純で、通信料金が高額になりやすいからです。

その代わりに、現地のWi-Fiや旅行者向けのデータ専用SIMを使って通信しています。

しかし、データ専用SIMではSMSが使えないことがほとんどです。

つまり、たとえ電話番号を聞けたとしても、SMSで連絡を取れるケースは非常に限られるのが実情です。

LINEは多くの訪日客が使っていない

日本では当たり前のように使われているLINEですが、世界的に見ると、利用されている地域はかなり限られています。

主に日本・台湾・タイなど一部の国や地域が中心で、欧米や多くのアジア圏では、そもそもLINEをインストールしていない人も珍しくありません。

そのため「LINEで予約連絡をする」という運用は、訪日客に対してはほとんど通用しないと考えたほうが現実的です。

唯一の世界共通で確実な連絡手段が「メール」

訪日客が必ず使うのはメールアドレス です。

ホテル・航空券・ツアー・レンタカーetc.
すべてメールで管理されます。

さらに、
  • ホテルWi-Fiで必ずメールチェックする
  • DMやSMSより到達率が圧倒的に高い

といった点で、予約確定に必要な連絡は、メールに一本化するのが最も合理的です。

事前決済は「メールでカード決済リンクを送る」が最適解

ここで本題。

どうやって事前決済を実現するか?手順はこれだけです:

  1. 予約の問い合わせを受ける(DM・Googleマップ・店頭など)
  2. メールアドレスを教えてくださいと案内する
  3. メール宛に「カード決済リンク」を送る
  4. お客様がカード決済すれば予約確定(お店に通知が届きます)

海外のお客様は、ほぼ100%クレジットカードを持っているので、相性は抜群です。

Squareなら、その日から簡単に決済メールが作れる

Squareインバウンド対応公式ページ
Square公式サイト

「メール宛にカード決済リンクを送る」という今回の方法に適しているのが、Square(スクエア)という決済プラットフォームです。

Squareはアメリカ発のグローバルサービスで、世界中の小売店や飲食店で使われている、非常に認知度の高いブランド

そのため、訪日客にとっても「これSquareの決済だ。安心して払えるな」とひと目で分かり、信頼につながるメリットがあります。

日本国内の事業者からも高い評価を得ており、ITレビューサイト「ITReview」ではアワードを受賞しています。

Square公式サイトより
\インバウンド対応の強い味方/ Square公式サイト 無料で試せます

コストは決済手数料だけ。シンプルな料金体系で入金も早い

気になるコストについては、まず初期費用はゼロ円。特別なシステム構築や設備投資は不要です。

無料アカウントを作成し、クレジットカード加盟店審査が完了すれば(最短10分!)すぐに利用できます。

利用開始後も、かかるのは決済手数料3.25%だけ

店頭でカード決済しても同等の決済手数料はかかりますから、「事前決済にしたからコストが増える」という心配はありません。

ほか、月額固定費や違約金、振込手数料、払い戻し手数料などすべて無料。

入金も週1回(下図参照)、さらに三井住友・みずほ銀行なら翌営業日と、キャッシュフロー面も安心です。

※本記事ではインバウンド対応に必要なポイントに絞って紹介しています。
Square請求書の詳しい使い方(初期設定〜送信手順まで)については、以下の記事で画像付きで解説しています:

\公式サイトはこちら/ Square 使い方は簡単

どの予約経路でも「メールアドレスをもらう」でOK

訪日客からの予約導線は複数ありますが、すべて「決済メールを送るので、メールアドレスを教えてください」の一言でOKです。

  • InstagramのDMから(若い旅行者中心
    →メールアドレスを尋ねる
  • Googleマップのメッセージから(欧米、東南アジアの観光客がよく活用
    →メールアドレスを尋ねる
  • コンシェルジュ予約(ホテルなどが代理で電話
    →「お客様ご本人のメールアドレスを伺えますか?」と依頼

店舗側のオペレーションは、一気にシンプルになります。

店頭での口頭予約なら、その場で決済

店頭で「今日の○時にまた来るので、そのとき買いたい」など、口頭での予約ももちろんあるでしょう。

このケースなら、シンプルにその場で対面決済してもらえば良いだけです。

Squareはメール決済のみならず、対面のキャッシュレス決済にも対応。

さらに端末機器がなくても、スマホにかざすだけの「スマホでタッチ決済」という機能が備わっています。

■参考記事:
\インバウンド対応の強い味方/ Square公式サイト 無料で試せます

【対応フロー例】Instagram DMで問い合わせが来た場合

お店のInstagram宛に、DMで問い合わせがあった場合」で、事前決済する流れを見てみましょう。

Step1. DMでメールアドレスを聞く

訪日客からDMで問い合わせがあったら、

  • カードでの事前決済をもって予約完了としている
  • 決済メールを送るためのメールアドレスを教えて欲しい

ことを伝えます。

訪日観光客

Hello!
I’d like to reserve two boxes of your 8-piece yokan set.
Can I pick them up around 2pm tomorrow?

(こんにちは!羊羹8個入りを2箱予約したいです。
明日の午後2時ごろに受け取りできますか?)

お店のスタッフ

Thank you for your inquiry!
We confirm reservations after advance credit card payment.

I will send you a payment link via email,
so could you please tell me your email address?

Your reservation will be confirmed once the payment is completed.

(お問い合わせありがとうございます!
当店では、ご予約は 事前のクレジットカード決済をお願いしております。
決済用リンクをメールでお送りしますので、お客様のメールアドレスを教えていただけますか?
決済が完了した時点で、ご予約が確定となります)

【参考:便利な翻訳ツール】

届いたメッセージを日本語に訳したり、返信文を英語で作成するには、翻訳ツール「DeepL」が便利です。

無料で、会員登録も不要。
テキストを貼り付けるだけで、瞬時に任意の言語へ高精度で翻訳してくれます。

DeepL公式サイト

Step2. Squareダッシュボードで決済リンクを作成

ここでSquareの出番です。

専用の管理画面から、請求書を作成・送信します。

インバウンド向けのSquare請求書作成画面

必要なのは、

  1. 顧客情報
    名前とメールアドレス
  2. 件名
    例:Payment Request for Reservation – Dec 15
    (12月15日 受け取り予約の決済リクエスト)
  3. サービス提供日
    任意だが、予約日を入れておくとベター
  4. メッセージ
    例:
    Thank you for your reservation request.
    Please complete the payment using the link below.
    Your reservation will be confirmed once the payment is completed.
    (ご予約ありがとうございます。
    以下のリンクから決済をお願いします。
    決済が完了した時点で、予約が確定となります。)
  5. 商品
    直接入力できるが、あらかじめSquareに商品登録しておくとスムーズ

以上、あとは送信ボタンを押すだけ。1分ほどで完了です。

件名とメッセージは基本、提携文の使い回しで問題ないでしょう。

ほか任意で、リマインダーメールなども送信できます。

Step3. メールから決済(お客さま側)

あとはお客さま側の操作です。

  1. 請求メールが届くので、
  2. 決済ページを開いてカード決済してもらいます。

【参考:表記言語について】

  1. メールの表記は、日本語もしくは英語が選択可能。Square設定画面から簡単に変更できます。
  2. 決済ページの表記は、お客さまがお使いのスマホの言語が反映されます。

Step4. 通知が届いて予約完了!

お客さまがカード決済を完了すると、お店側へ自動で「支払い完了メール」が届きます。

さらにSquareアプリをスマホに入れておけば、即時でプッシュ通知 も届くため、忙しい時間帯でも見逃しません。

これで予約は完了!お客さまをお待ちするだけです。

まとめ

訪日客には、

  • 電話
  • LINE
  • SMS
  • DM

すべて安定しません。

唯一確実なのはメールアドレス。そして、メールと最も相性が良いのがSquareの決済メールです。

初期費用ゼロ・固定費ゼロで始められるということは、リスクなしで気軽に試せるということです。

「海外のお客さんのノーショウに困ってる。でも、むげに断ることもしたくない」とお困りのオーナーさんは、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。

\インバウンド対応の強い味方/ Square公式サイト 無料で試せます